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貧血基礎知識

貧血基礎知識~クラクラだけじゃない~

私たちの体内に流れている血液は、細胞に栄養素、ホルモン、酸素を供給し二酸化炭素や代謝老廃物を肺、肝臓、腎臓、脾臓等に運搬しています。 その血液が足りない状態、つまり、貧血とはどのようなものなのでしょうか。

貧血とは、体中が酸素不足の状態になる病気

貧血は、血液の赤血球に含まれる赤い色素であるヘモグロビン(血色素)の量が減り、体中が酸素不足になった状態のことをいいます。ヘモグロビンを構成する鉄が酸素をとらえ体中に供給する働きを担うため、減少すると体の各臓器が酸欠状態となり機能が低下しさまざまな症状が現われるのです。

■貧血の種類

1.鉄欠乏性貧血

貧血の種類のなかでも最も多くみられるのが「鉄欠乏性貧血」です。体内の鉄が不足することでヘモグロビンが減少し、赤血球自体が小さくなり、酸素不足に陥り貧血が引き起こされます。  鉄欠乏性貧血は、特に30~40歳代女性の5人に1人が該当すると言われています※。これは、女性は月経時の出血だけでなく、妊娠中は胎児に鉄をとられ、分娩による出血、授乳中は母乳にも鉄が含まれるため男性より多くの鉄を必要とするためです。鉄は女性にとって特に必要な成分なのです。 また鉄の足りない食生活はもちろん、体内での出血や鉄を吸収する胃腸の機能不全、赤血球が破壊される病気によっても鉄欠乏性貧血は引き起こされることがあります。

※「平成27年国民健康・栄養調査―血色素量の区分」より血色素(ヘモグロビン)血液1dl当たり男性14g、女性12g未満の人数より算出。

2.再生不良性貧血

血液の血球成分をつくる骨髄の中の造血幹細胞が障害を受け、血球成分をつくれなくなるために起こる貧血です。白血球の減少により抵抗力が下がり、血小板の減少により血液が固まりにくくなるなどの症状も現われます。多くの場合、原因が不明で確実な治療法もないため、厚生労働省で難病指定されています。

3.巨赤芽球性貧血

造血幹細胞に作用するビタミンB12や葉酸のビタミン不足により正常な赤血球がつくられず、通常の赤血球より大きな「巨赤芽球」という赤血球の母細胞があらわれ、成熟しないうちに死んでしまうことにより貧血が引き起こされます。

4.溶血性貧血

赤血球の寿命はおよそ120日とされていますが、赤血球が破壊されて溶けてしまい、新しい赤血球の産生が追いつかないために貧血が起こります。壊れた赤血球の成分が皮膚に沈着し黄疸が現われたり、尿が濃くなるなどの症状が現われます。生まれつき赤血球に異常がある先天性と、後天性のものでは、自分の赤血球を異物として攻撃してしまう自己免疫疾患などがあります。

貧血の症状

フラフラだけじゃない貧血のサイン

体が酸欠状態に陥ることで、様々な症状が現われます。例えば、体の中で最も酸素を必要とする脳が酸素不足になると、めまいや頭痛、耳鳴り、ふらつき(ひどくなると失神)を来します。心臓の筋肉の酸素不足だと狭心症、筋肉の酸欠はだるさや疲労感につながり、体が酸素を取り込もうと動悸、息切れが生じます。また赤血球量の減少により顔色が悪くなったり、目や口の粘膜が白くなるなどのな症状も現われます。

あっかんベーをしてみよう

貧血かどうかをチェックするには、あっかんべーをして下瞼の内側を確認してみましょう。白くなっていたら、貧血のサインです。 爪が弱くなって割れたり表面がボコボコになるのも貧血の特徴です。ひどい貧血が続くと爪が変形していき、平たくなったりスプーン状(さじ状爪)になります。爪は過去の身体の状態を記録しながら伸びていくので、貧血が長く続くほど爪の状態は悪くなります。 また、舌が赤く平らになり、ひりひりと痛んだり染みたりする「赤色平滑舌」、氷や土などを無性に食べたくなる「異食症」も症状の一つです。 貧血の症状は人によって様々で、全ての症状が現れるとは限りません 。ですが「なんとなくだるい」「疲れかな?」と感じることがあれば、貧血を疑ってみるのもひとつかもしれません。

女性と貧血

女性は血を必要とする生き物

赤血球の数は男女で差があり、1μℓの血液中に、成人男性は約500万個、成人女性は約450万個ほど含まれます。このように女性は男性より赤血球数が少ないうえに、月経があるため貧血になりやすい性質といえます。特に過多月経の人や子宮筋腫がある人は貧血になる可能性が高くなります。

また妊娠すると胎児の分も鉄が必要になり、貧血が起きやすくなります。鉄不足に限らず、ビタミンB12の不足により赤血球がつくれなくなる巨赤芽球性貧血の場合もあります。妊娠後期は体の水分が増えて血液濃度が薄くなり、貧血症状が現れます。分娩には大量の出血を伴うこともあり、出産後も母乳から鉄が出ていくため、貧血体質の人や貧血と診断された人は、普段よりも多くの鉄やビタミンB12と葉酸の摂取が重要とされます。

美しさは血液から

貧血で細胞が酸欠状態になると、新陳代謝が低下します。つまり美しさを象徴する肌も、通常細胞が約28日で入れ替わるのが、酸欠状態によって古い細胞が新しい細胞に入れ替わるスピードが遅くなり、血色不良や肌荒れ、水分不足を招き、みずみずしいハリのある肌ではなくなってしまいます。酸欠状態がコラーゲンの合成に影響することも原因のひとつです。 また皮膚だけでなく、髪を育てる毛根部の細胞も酸素が不足すると細毛や切れ毛、抜け毛、枝毛が増えていきます。 血行を良くし、新鮮な酸素を細胞に届けることも美しさの秘訣といえるのです。

運動する人は「スポーツ貧血」が起こりがち

運動をしていていかにも健康そうなアスリートでも、意外にも貧血と密接な関係にあります。「スポーツ貧血」は、身体が衝撃を受けて赤血球が壊れる「溶血性貧血」、筋肉量に対して鉄の摂取量が足りていないことや発汗によって鉄が流れ出てしまうことによる「鉄欠乏性貧血」から成ります。 赤血球が壊れ、鉄も不足すると酸素運搬能力の低下を招き、思うように走れない、疲れやすい、息切れしやすいなどのコンディションのトラブルが生じます。常にパフォーマンスの向上が求められるアスリートにとって血液と鉄がいかに重要なのかがわかりますね。 「スポーツ貧血」と「スポーツと血の関係」について詳しくはコチラ。

貧血を予防する食事

貧血のおもな要因は、偏った食生活にあります。過度なダイエットなどで食事の量が少なくなったり、栄養バランスがとれていない食事を続けていると鉄不足になります。 身体の中にある鉄は2/3がヘモグロビンに蓄えられます。ヘモグロビンが完全に生まれ変わるには2か月を要するとされており、鉄の摂取や食事の改善を行ってもすぐに成果が表れるわけではなく、最低でも1~2か月は必要となります。それだけでは完全に貧血は改善されておらず、鉄の1/3が肝臓、骨髄、骨、脾臓、膵臓、腸の壁にフェリチンと結合して「貯蔵鉄」として蓄えられるまで3か月~1年も要します。そのため、日頃から貧血予防を意識した食生活はとても重要です。

貧血予防に必要な成分は、赤血球の構成成分である鉄とタンパク質、吸収効率を上げるビタミンC、造血ビタミンと言われるビタミンB6、B12、葉酸です。 鉄は赤身肉、レバー、魚介などの動物性「ヘム鉄」、葉野菜、海藻類、プルーン、そしてアサイーなどの植物性「非ヘム鉄」を1日3回の食事でこまめにバランスよく摂取しましょう。 鉄はもともと吸収しにくい物質で、ヘム鉄の場合は15~25%であるのに対して、非ヘム鉄はわずか2~5%です。ビタミンCは非ヘム鉄をヘム鉄に変換し吸収効率を上げる成分とされており、ビタミンCを含む野菜や果物との組み合わせが理想です。

鉄ばかり摂取していても貧血予防にはなりません。見落としがちなのは、タンパク質。ヘモグロビンはタンパク質なので、ヘモグロビンを増やすには必要不可欠な成分となります。消化管で鉄を吸収し、血液中で鉄を運搬し、肝臓で鉄を貯蔵するのもタンパク質です。いくら鉄を摂取してもタンパク質がなければ機能を発揮することができないのです。タンパク質の1日の摂取推奨量は、成人男性で60g、成人女性で50gです。アスリートの場合は体重1㎏あたり2gまでが基準です。

1日あたりの鉄摂取推奨量

厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると以下の推奨量となります。この数値を見ると成長期の子供と女性が特に鉄を必要としていることがわかります。皆さん、鉄足りてますか?

血液検査で貧血チェック

血液検査の結果で貧血かどうかを判断するには、赤血球の数と割合、ヘモグロビン量(濃度)の3つがポイントになります。健康診断や献血をした際に、ぜひチェックしてみてください。

赤血球数(RBC)

<正常値>男性:430万~570万個/μℓ 女性:380万~520万個/μℓ 男性は400万個、女性は350万個以下の場合、貧血とされます。

ヘモグロビン量(Hb)

<正常値>男性:14~18g/㎗ 女性:11~15g/㎗ 成人男性で13g、成人女性と中学生は12g、幼児・小学生・妊婦は11g以下で貧血とされます。

ヘマトクリット(Ht)

<正常値>男性:40~50% 女性:35~45% 血液中に含まれる血球の割合のことで、赤血球数と相関しています。

<参考文献>

  1. 南雲久美子(2015)『冷え性・貧血・低血圧』主婦の友社.
  2. 本多京子編(2002)『フーズ・メディカ 食の医学館』小学館.
  3. 山本佳奈(2016)『貧血大国・日本』光文社.
  4. -----(2015)『日本人の食事摂取基準』厚生労働省.
  5. -----(2014)『よくわかる スポーツ貧血』ベースボールマガジン社

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