アサイーエナジー:陽の当たる場所へ

By frutafruta, 2021-05-24

営業部の結城です。

 

私は2005年入社で最古参の社員となります。

昔話となりますが思い出をツラツラと書き連ねます。

(ちなみに2008年に一度退社、2014年に復帰の出戻り社員です。)

 

表のストーリーは広報松田のブログであらかた書かれていますので、

私の方からは裏のストーリーである

『2007年12月の戦い』

について記載します。

 

初代アサイーエナジーの特徴は、

 

①アサイーで

②かつジュール殺菌で

③かつフローズン・チルド物流で

 

と明らかに情報量が過剰な商品でした。

 

説明を受けた人は「アサイー」を消化するだけで精一杯胸いっぱい、

上手く咀嚼できなかっただろうと今では思います。

 

さて、

③の「フローズン・チルド物流」

業界では冷チルとも呼ばれます。

 

鮮度が求められ賞味期限が短い商品を広く流通させる場合に使用されるデリバリー方法です。

 

倉庫では冷凍状態で保存(冷凍としての賞味期限を持つ)し、

スーパーやコンビニエンスから発注があった分だけ解凍し冷蔵の賞味期限を刻印する、

そんな手法です。

 

当時からすでにケーキやスイーツなどの洋菓子、和菓子などでは一般的で広く採用されていましたが、それをドリンクで採用するということが”画期的”でした。

 

※アサイーエナジーは自社が運営するジュースバー『フルッタフルッタバー』のアサイードリンクの良さ(濃厚さ・フレッシュさ)をなるべくそのまま活かしたいというコンセプトからスタートしており、必要最低限の殺菌にとどめ賞味期限が短かった。

 

”画期的”ということは世の中に「インフラが無い」ということになります。

当時、これを実現させるために多くの物流会社様や問屋様と商談をしなんとか形にすることができておりました。

 

アサイーエナジー発売から1年半が過ぎようとしたある日、

某コンビニエンスストア様から

「12月25日からアサイーエナジーを全国で発売します」

と嬉しいお言葉をいただきました。

 

我々はすでに大手CVS様とは何度かお取り組みをしており、それなりに修練を積んでいましたので

返事はひと言

「よろこんでー」

 

その後はスムーズな進行のため物流会社と打ち合わせをするだけです。

 

私「12月25日から◯◯さんで全国販売決まったからよろしくでーす」

 

物流会社「えっ?そんな日程無理ですよ。年末はクリスマスケーキ〜おせち料理のコンボ攻撃でラインがすでに埋まっていますよ!業界どこも同じです!」

 

私「まじ?」

 

物流会社「まじ。」

 

私「嘘でしょ?」

 

物流会社「まじ。」

 

えええええーっっっ!!!!

 

そらアカン。そらマズイ。困った。

 

そんなとき私の元へ

天からの啓示が降ってきました(ウソ、泣きながら考えました)

 

肝となる設備・技術は冷蔵で解凍した後に賞味期限をインクジェットプリンターで打刻する部分です。

 

ここをどうにかしさえすれば後はマンパワーでなんとかできる。

 

そう考えた私は、

日本が誇る超優良企業、センサー、計測機器ののメーカーであるK社さんに代表電話から連絡をしました。

 

「あの〜、つかぬことをお伺いします。貴社の◯◯というインクジェットプリンターのユーザーで今、暇しているところはありませんか?実はカクカクシカジカ・・・・」

 

そうです。

この賞味期限印字用のインクジェットプリンターはK社の製品だったのです。


「はあ?そんなこと教えられるわけはないでしょう!」と言われてもおかしくない話だったのですが、

 

K社「なるほど。それはお困りですね。わかりました、私の方でいくつかあたってみます。また折返しご連絡します。」

 

私「マジですか?ありがとうございます(泣)」

 

数時間後、

 

K社「2社程ありました!東京の氷屋さんと福島の納豆屋さんです。」

 

私「マジですか?ありがとうございます(泣)」

 

そしてそれぞれ会社様に事情をご説明したところ

快く設備と人材をお貸しいただけることに。

 

氷屋さん・・・夏が繁忙期で冬場は空いていた

納豆屋さん・・・たまたま今は使っていない

 

既存の物流会社さんも夜中のラインを空けてくださったのでこれで3ヶ所体制が整いました。

 

時は師走。クリスマス。

我々は

「クリスマス?なにそれ美味しいの??」

状態でひたすらに解凍・印字をしました。

 

来る日も来る日も。

そういえばその頃、

風の噂でサンドウィッチマンなるお笑いコンビがM-1グランプリのチャンピオンになったとかなんとかが聞こえてきました。


「戦い」を終えなんとか無事に商品を供給することができました。

翌日、発売日に都内をまわり商品が並んでいるのを見たらジーンと涙が出てきました。

涙で賞味期限がにじんで見えると思ったら本当ににじんでいました。

(中にはそういった100点満点ではないものもありました。昔の話ということでご容赦ください。)

 

ちなみに、私は日頃の備蓄があったから良かったもののこの「戦い」で3kg体重が減りました。

(安心してください。正月のリカバリーで最終的には通常より+2kg)

 

===

 

正直なところ14年近くも前なので記憶もぼんやりとしており、

少し面白く盛ってしまったかもしれません(笑)

 

ただ鮮明に覚えていることは窮地に立った時に助けてくださった多くの方々のことです。

 

アサイーとはなんなのか。

アグロフォレストリーとは。

フルッタフルッタはこの先どうなりたいのか。

 

我々も必死にお伝えしました。

 

まだほんの小さな草ベンチャーだったフルッタフルッタを

「なんとか陽の当たる場所へ出してやろう」

と本当に多くの方に背中を押していただきました。

 

それから十数年が経ち、今でも陽の当たる場所にいるわけではありませんが、

当時の事を思い出しつつ頑張っていきたいと思います。

 

以上です。

最後までお読みいただきありがとうございました。

今後ともフルッタフルッタ、アサイーエナジーの応援をよろしくお願いいたします。

 

(追伸)

草ベンチャーには日々”事件”が訪れていました。

いつかまた機会があれば裏ストーリーの続きを書きたいです。

おそらくvol.100くらいまで書けます(笑)

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