アサイーって何?
アサイーはブラジルのアマゾンを原産とするヤシ科の植物です。大きく生長すると25mもの高さになり、白く細長い幹に2mほどの大きな葉を生やし、ほうき状の房にブルーベリーよりひと回り大きい黒紫色の実をつけます。
1粒あたり5%ほどしかない可食部にポリフェノールや鉄分、ビタミンE、不飽和脂肪酸など豊富な栄養素や抗酸化成分を蓄えていることから、現地では15世紀の大航海時代以前からアマゾンの先住民の貴重な栄養源として食されてきました。
現代では「スーパーフード」や「スーパーフルーツ」と呼ばれ人々の美と健康を支えています。
〔学 名〕Euterpe oleracea Mart.
〔和 名〕ニボンモドキ、ワカバキャベツヤシ
〔科 名〕ヤシ科
〔原産地〕ブラジルアマゾン地帯の河岸や河岸の平野部
自生するアサイーはアマゾン地帯の水べりに生育し、1株から複数の幹が生え高さは25mにも成長します。
幹は白く細長く、葉は黄緑色の短冊状で長さは最大で2mにもなり、幹の節から生えたほうき状の房に黒紫色をした果実をたわわに実らせます。
学名のEuterpeはギリシャ神話の女神の名に由来します。なぜその名がつけられたのかは明らかではありませんが、白く滑らかで細長い幹から大きな葉が垂れ下がり、ゆらゆらと優雅に揺れる様が音楽を奏でる女神の姿に例えられたのではないかと考えられます。その美しさは世界のヤシの中でも一番と称される程。
植えてから4年ほどで安定的に実をつけます。果実は直径1~1.2cmほどの球状もしくは楕円型で、そのうち約95%が硬い種で食べられる果肉はわずか5%ほどしかありません。水分は少なく、果肉はほとんど皮のような質感をしています。
収穫時期 : 8月~12月
アサイーは赤道直下の強い紫外線と強烈な雨といった過酷な環境で育つため、環境ストレスによる活性酸素と戦う抗酸化物質を蓄えます。その代表格がポリフェノールであり、ワインの様な深紫色がその多さを物語っています。
また鉄分やカルシウム、マグネシウムなどのミネラル類、ビタミンE、ビタミンB1、ビタミンB2、食物繊維、アミノ酸、α-リノレン酸(オメガ3)、オレイン酸(オメガ9)も含まれています。
アサイーの果肉100gには2200㎎ものポリフェノールが含まれています。(無水物換算値/自社調べ)
抗酸化成分として注目されているポリフェノールは、お茶のカテキンやブルーベリーのアントシアニン、赤ワインのタンニンなどが良く知られていますが、アサイーに含まれているポリフェノールは、紫色の色素であるアントシアニンがおもな成分です。 アサイーは甘味や酸味がないあっさりとした風味ですが、奥深い味わいのなかにあるほのかな渋みはアントシアニンに由来しています。
アサイーはカルシウム、マグネシウム、鉄などのミネラルも含んでいます。その中でも特徴的なのは鉄分で、果肉100gに生プルーン約58個分相当の鉄分を有しています。
鉄分は体中に酸素を運ぶはたらきをする赤血球中のヘモグロビンを構成する成分です。鉄分が不足すると結果的に体内が酸欠状態(貧酸)となり、貧血を起こしやすくなります。女性でお悩みの方が多い貧血ですが、鉄分は汗で流れ出てしまう性質もあるのでスポーツをする方は特に性別年齢を問わず摂取が必要です。
アサイーってバナナっぽい味? アサイーってベリーっぽい味? アサイーってヨーグルトっぽい味? など、アサイーの味については、最初に飲んだアサイードリンクやアサイーボウルの印象により様々な表現をされています。実のところアサイー自体は、甘みや酸味、香りがほとんどなくクセもありません。それにも関わらずアサイーを加えたメニューは確実に美味しさがUPします。
アサイー自体の風味は、ほんのりとした渋みとオリーブオイルのようなコクと若葉の香りがあります。このアサイー特有の奥深い味わいを引き出すのは以下の二つの要素です。
アサイーに含まれている代表的な栄養素であるポリフェノール。ポリフェノールの中でもアントシアニンが最も多く、このポリフェノールのかすかな渋みがアサイーメニューに味の奥行を作り出しています。
ワインやチョコレートのような
イメージです。
アサイーに豊富に含まれるオレイン酸を中心とするオイル。近年ではオメガ脂肪酸とも呼ばれ「積極的に摂取した方がいいオイル」とされています。このオイルがアサイーメニューにコク・旨味を加えています。こちらはオリーブオイルやアボガド
などのイメージ。
研究分野
かねてよりアサイーは「貧血が改善した」「ヘモグロビン値が上がった」などの声が寄せられていました。ですが不思議なことにアサイーが含む鉄はレバーのように多くはなく、しかも動物性より比較的吸収効率が低い「非ヘム鉄」であるため、アサイーが含む鉄だけではなくその何かが作用しているのではないかと考えられてきました。
そこで「アサイーは血を増やし貧血を改善するのではないか」と仮説を打ち立て、2018年に千葉大学と共同で研究を開始しました。マウスにアサイーを摂取させた結果、造血ホルモンのエリスロポエチン(EPO)の分泌が促され、赤血球数が増加することが明らかとなりました。
ヒトの造血ホルモンが分泌する仕組みはマウスと共通するため、これによってアサイーはヒトでの効果や貧血症状の改善が期待される素材であることが示唆されました。
[論文タイトル]“Acai Transiently Upregulates Erythropoietin by Inducing a Renal Hypoxic Condition in Mice”
[掲載]Nutrients, 2020,12 533; nu12020533
[論文URL]https://www.mdpi.com/2072-6643/12/2/533
アサイーでみなぎるプロジェクトが編集協力した書籍が2020年6月26日に発売されました。
監修は数々のトップアスリートを指導するスポーツ栄養アドバイザーの石川三知氏。スポーツ貧血をテーマにしていますが、貧血の基礎情報や「造血レシピ」も充実しており、貧血にお悩みの方にもおススメの一冊です。
■書籍情報
タイトル:『隠れ貧血・スポーツ貧血のためのアサイーの食事術』
著者: 石川三知(監修)、アサイーでみなぎるプロジェクト(編集)
出版社: WAVE出版
価格: ¥1,650(税込)
ISBN-10: 4866212845
ISBN-13: 978-4866212845
フルッタフルッタはカナダのトロント大学と2021年1月に契約を締結し、新型コロナウィルス(COVID-19)に感染した患者の細胞内に生じるNLRP3誘発性炎症の重症化をアサイーで抑制し得るかの臨床研究を実施することを目的に、当社のアサイー原料を使用するための実証実験を開始いたします。
新型コロナウィルスに関するこれまでの研究では、ウイルスが細胞に感染すると、細胞内のたんぱく質の複合体である NLRP3インフラマソームが活性化して炎症反応を引き起こすことが明らかになっています。
トロント大学の、マイケル・ファルコ教授(画像左:Dr.Michael Farkouh /医学部研究副院長)と、アナ・アンドレアザ准教授(画像右:Dr.Ana Andreazza /薬理学・毒物学および精神科)は、2020年5月から、抗炎症作用を持つ可能性のある安全で天然のアサイーが、新型コロナ患者への治療の選択肢となり得るかを臨床研究しており、アサイーの有効成分が、このNLRP3インフラマソームレベルを下げ、炎症の悪化を抑制させることが、新型コロナの治療方法として期待されています。
アマゾンでの食べ方
アマゾンでは、お椀状の容器にピューレ状にすりつぶした果肉を入れ、ファリーニャと呼ばれるキャッサバ芋を炒ってフレーク状にしたものを混ぜて食事として食べます。
好みで干し肉や塩エビ、魚のフライと一緒に食べたり、砂糖を入れて食べることもあります。
アサイーボウルをお椀で食べるスタイルはアマゾンに由来しています。この郷土食は現地でAçaí na tigela(アサイー・ナ・チヂェイラ)と呼ばれ、英語に直訳したのがAçaí Bowlです。またアサイーはデザートやお菓子の素材としても使われ、中でもアサイーのアイスは大人気です。
リオ・デ・ジャネイロやサンパウロなどの都市部では、バナナやマンゴーなどをブレンドした『アサイーボウル』や『アサイースムージー』が街の至るところのジュースバーやカフェで販売され、カリオカ(リオっ子)やパウリスタ(サンパウロっ子)にとって欠かせない存在になっています。
濃厚アサイー
フルッタフルッタは固形分14%以上の最高濃度(グロッソ=ポルトガル語で「濃い」という意味)のアサイーのみを使用しています。(自社基準)
また、アサイーは収穫してからの劣化が早いため、CAMTAがアサイーの量産に成功するまでは収穫地だけで食べられてきました。
フルッタフルッタのアサイーは収穫後24時間以内に搾汁し殺菌と冷凍を施しているので、新鮮で栄養素がしっかり残っています。
▶私たちのパートナーCAMTA農協とその町
アサイーの濃さは、おもに果肉の固形比率ごとに3グレードにランク分けされています。最もグレードが高い最高濃度のグロッソは技術的に大量生産に向かずブラジルでもあまり流通していません。中ランクのメヂオか最も薄いポピュラーがほとんどです。
フルッタフルッタはグロッソアサイーのみを使用しています。希少性の高いグロッソアサイーをフルッタフルッタが日本に輸入できるのはCAMTAの技術力があってこそなのです。
収穫から製品へ
フルッタフルッタはアサイーを全て冷凍ピューレで輸入し信頼のおける国内外の工場で製品化と二次原料への加工を行っています。
高さ25mにもなる木に登って収穫し、1粒1粒丁寧に房から実を取り外す/p>
選果の後に洗浄
水で柔らかくした実を攪拌して種を取り除き、成分を安定させるクエン酸を加えてピューレに加工
おいしさと安全を満たす条件にて殺菌
パック詰めをして冷凍
凍結後、真空乾燥処理して
水分だけを取り除いた粉末。
濃い紫色で栄養素が残っている。
水溶性成分とデキストリン
(澱粉を原料にした水溶性食物繊維)を約50%混合し、
加熱処理して水分蒸発、粉末化させる。色は薄いピンク。
食物繊維と脂肪分を取り除いた液体原料。
アサイーの日
フルッタフルッタでは、9月16日を「アサイーの日」と定め、一般社団法人日本記念日協会から登録認定を受けました。
アサイーの産地であるブラジルのパラ州では9月5日がアサイーの日に制定されていますが、アサイーが産地のアマゾンからブラジル全土へ、そして世界へ輸送されるようになったのは日本からアマゾンへ渡った日本移民が産業化に成功したことが大きく影響しています。フルッタフルッタでは彼らの功績を称えるとともに、日本の皆さまに知ってほしいという想いから、第一回移民船が1929年にアマゾン川の河口の都市ベレンに到着した9月16日にちなみ、この日を「アサイーの日」に定めました。
アサイーは古くからアマゾンの先住民の貴重な栄養源であり、産地の人々に親しまれてきた郷土食でした。1999年にフルッタフルッタの現地パートナーである日系農協のCAMTAが運営するフルーツ工場にてアサイーの搾汁ラインを新設したことにより量産化が可能となり、アサイーの産業化を先導しました。これによりアサイーが産地から遠方への輸送が促され、ブラジル国内各地へ、そして海外へ運ばれる糸口となったのです。