トメアス式アグロフォレストリー(SAFTA)のメリットは、
大きく「経済・環境・社会」の3つに分けられます。
生産者の安定収入による経済的自立や違法伐採の抑制、
生物多様性の回復、地域の雇用創出や教育水準の向上などを通じて、
持続可能な社会の実現に貢献しています。
アマゾン熱帯雨林は地球上の森林の約半分を占め、最も生物多様性に富む地域ですが、
常に開発の危機にさらされています。
アグロフォレストリーは、森を守り、育てる仕組みであり、
単一栽培では成し得ない持続可能な農業モデルとして未来への道を拓いています。
アグロフォレストリーでは、作物の成長とともにCO2が吸収されます。伐採で荒れた土地をアグロフォレストリーで再生し、栽培を広げていくことは、温室効果ガスの削減にもつながります。フルッタフルッタは、こうしたCO2の吸収源となるアグロフォレストリーを拡大していくために、生産物の市場拡大に努めています。
アグロフォレストリーは、多様な植物の共存により昆虫や鳥などさまざまな生物が集まります。微生物も多様化することにより土の中からも複雑な生態系が築かれていきます。生態系の健全性を保ち、病害虫リスクも分散するなど作物にも良い影響を与える仕組みとして注目されています。
アグロフォレストリーでは、極力農薬や化学肥料に頼らず、自然の力を活かした農業が行われています。本来アマゾンの土壌は養分を蓄える力が乏しく生産には不向きですが、アグロフォレストリーにおいては落葉樹が有機物を供給し、肥沃な土地を育てます。この循環が、持続可能な農業の基盤となっています。
SAFTAは、1年目から収穫ができ持続的な収入を見込めるほか、限られた土地をうまく活かす農法なので、小規模からでもはじめられるというメリットがあります。こうした仕組みによって、安定した農業が可能となり、新しく森を切り開かなくても収益を得られるため、荒廃地の広がりを防ぐことにもつながります。
SAFTAの経済的メリットは、環境・社会面のメリットとも深く結びついています。
安定した収入と経済的自立があるからこそ、環境保全や地域社会の発展が実現します。
こうした循環により、SAFTAは持続可能な農業モデルとして世界的に注目されています。
どれだけエシカルな農法でも、売り先がなければ継続は困難です。フルッタフルッタとCAMTAは対等なビジネスパートナーであり、市場側から支えることが私たちの重要な役割です。
生産者においても組合(CAMTA)という売り先があることは大きな支えとなっています。単一栽培のような短期的な大型収益は見込めませんが、持続的で堅実な安定収入が経営の柱となります。
多様性から成るアグロフォレストリーはその作物ごとに作業の内容や時期が異なります。また工場の稼働も地域の雇用創出につながっています。これにより、労働者は適切な報酬を得て生活を安定させ、格差を緩和する一助となっています。
SAFTAの社会的なメリットは、経済的な安定を基盤とした地域全体の生活水準の向上から生み出されています。
CAMTAは、SAFTAを通して地域全体の発展に寄与した功績が認められ、
2010年に国家表彰「地域発展貢献賞」の最優秀賞を受賞しました。
アグロフォレストリーは森だけでなく「ヒトを育てる農業」でもあるのです。
SAFTAの安定的且つ持続的に収益を得られる仕組みや雇用創出により、CAMTAの組合員をはじめ労働者も収入を確保することができます。 経済的な潤いは地域全体の生活水準の向上に寄与しています。
CAMTAでは未成年者を雇用しないルールを設け、児童労働を禁止しています。そして、アグロフォレストリーによる雇用創出は家計を安定させ、性別を問わず子供が学校に通える環境づくりにつながっています。
ブラジルは犯罪指数が高く、かつてトメアスでも経済的に豊かになった組合員が犯罪の標的となっていました。このような悲劇を阻止するため、CAMTAは非組合員の農家や労働者にSAFTAの指導を行ったところ、貧困の緩和と犯罪率の低下につながり、地域の治安が改善されました。街の安全は人々の安定した暮らしを後押しし、さらなる地域の発展を促進しています。
持続可能な農業を行うには、「きちんと利益が出ること」がとても大切です。
利益が大きいほど、荒れた土地を緑あふれる土地に変えていく力になります。
だからこそフルッタフルッタは、
アグロフォレストリー産の原料をCAMTAから買い取り、
その価値をより広めていくために、
市場への流通や需要づくりに取り組んでいます。
生産者の想いや取り組みを、しっかりと未来へつなげていくことも、
私たちの大切な役割です。
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フルッタフルッタでは事業活動や広報活動を通してアグロフォレストリーの情報発信を行っています。