リリース
今般、報道各社よりブラジルのアマゾンにおいて記録的な森林火災が発生しているとのニュースが多数報じられています。これを受け当社事業への影響を案じられる声が上がっていることから、現在の状況をお伝えいたします。
当社のアサイーをはじめアマゾンフルーツはブラジルの法定アマゾン域に位置するパラ州トメアス市を主たる産地としておりますが、昨今のアマゾン森林火災による、現地生産現場への直接的な被害、影響は現在のところ発生しておらず、引き続き安定的な供給が可能な状況となっております。
当社が提携しているトメアスの農協CAMTA(トメアス総合農業協同組合)は、多様な農作物と樹木を森のしくみにならって植えていく農法の「アグロフォレストリー」を実践しています。彼らの手法は、アマゾンの原生林を新たに切り開くのではなく、荒廃した土地を農業と林業で森のようによみがえらせていくことから「森をつくる農業」と呼ばれています。
当社は、創業当初からのテーマ「一杯のジュースから森林再生を」を神髄として掲げており、CAMTAが主にアグロフォレストリーで生産したアマゾンフルーツ原料を買取り、購買量を増やすことでアグロフォレストリーの発展に貢献することを創業時からのミッションとしています。
アマゾンの開発が加速する中、当社といたしましては、アマゾンの再生に少しでも貢献できるよう、より一層にCAMTAのアマゾンフルーツ原料を使用した製品の拡販に努め、アグロフォレストリーの発展を応援してまいる所存です。
森のように繁茂したアグロフォレストリーの様子
<参考情報>
■アグロフォレストリーの仕組み
アグロフォレストリーはトメアスおよびその周辺地域において2万ヘクタールに及ぶとされ、拡大傾向にありますが、森のような農地になるまでに20年以上の年月を要します。
アグロフォレストリーは世界各国で様々な実践例がありますが、トメアスのアグロフォレストリーは1年目から収穫が得られ、持続的に収入を得られるよう計画的に農地を構成していく点が特徴です。草原が森のように遷移していくような様相から、「遷移型アグロフォレストリー」とも呼ばれています。
【荒廃地】 |
【1年目】 |
【5~10年目~】 |
【20年目~】 |
トメアスの周辺には伐採などで荒廃地化した土地が広がっています。アマゾンの土壌は薄く、伐採してしまうと養分が流れて作物が育ちにくくなります。 |
1年目から将来にわたり収穫を得られるよう計画的に野菜やコショウ、果樹、材木の苗を植えます。 |
コショウが枯れ、果樹が実をつけます。この時期が最も作物の種類が多く、また最も二酸化炭素の吸収量が多い時期とされています。 |
高木と低木が共存する森のようなアグロフォレストリーが完成し、光のコントロールをしながら低木果樹の生産性を維持していきます。 |
※アグロフォレストリーについて詳しくはコチラ
■国内外から評価されるトメアス式アグロフォレストリー
彼らの取組みは支援を必要とせず商業的に自立し、地域振興にもつながっている点が持続可能であるとして国内外から注目され、とりわけ、アマゾンの所得の低い人々にボランティアでアグロフォレストリーを教え、生活を改善し地域の保安や環境保全にも貢献した点がブラジル政府より評価され、2010年に「地域発展貢献賞(ブラジル国家表彰)」の最優秀賞を受賞しています。
CAMTAを代表してルラ大統領(当時)より表彰を受ける理事(当時)の小長野道則氏
■日系農協「トメアス総合農業協同組合・CAMTA」
CAMTAは1929年よりトメアスに移住した日本人がアマゾンという辺境の地で経済的に自立するために1931年に創立された農業組合です。
創立当初は野菜や米の販売を主な事業とし、のちに基幹作物となったコショウ栽培の失敗からアグロフォレストリーへの転換を先導しました。そしてジュース工場の設立を機にアマゾンフルーツの生産が拡大します。
彼らが工場を設立し、アサイーの量産に成功しなければ、アサイーなどのアマゾンフルーツが世界に広く知られることはなかったといっても過言ではなく、まさにアマゾンフルーツのパイオニアとしての地位を築いています。
日本人のアマゾン移住は今年で90周年を迎え、今後ますますの発展が期待されます。
※CAMTAについて詳しくはコチラ
CAMTAのジュース工場
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