リリース
この度、2025年11月10日から21日にかけてブラジル連邦共和国・パラ州ベレンで開催された「国連気候変動枠組条約第30回締約国会議(COP30)」において、当社は現地で開催されたサイドイベントでの登壇やバーチャル展示を行いました。以下にて各活動の概要をご報告いたします。
■活動概要
①サイドイベントにおけるJICA主催セミナー登壇
[テーマ]『(21世紀のアマゾン)アグロフォレストリーの挑戦とイノベーション推進』
[開催日時]2025年11月15日(土)10:00~14:00
[会場]Associação Pan Amazônia Nipo Brasileira (APANB)
[主催]JICA
[URL]https://www.jica.go.jp/overseas/brazil/information/topics/2025/1574885_57916.html
[内容]アマゾン地域における持続可能な農業の実践例である「SAFTA(トメアス式アグロフォレストリーシステム)」に焦点を当てたセミナーにおいて、学術機関、研究機関、民間企業、協同組合、政府機関など多様なステークホルダーが一堂に会し、SAFTAの技術的・経済的・環境的価値について多角的に議論しました。その中で当社代表の長澤が「SAFTA商品の付加価値向上のための新たな取り組み~サステナブルプラットフォーム~」と題し、アグロフォレストリーの発展に必要不可欠となる「販路」の可能性を広げるサステナブルプラットフォーム『SCOPE 3 Neo』を発表しました。

②ジャパン・パビリオンにおける環境省主催セミナー登壇(1)
[テーマ]『3つの地球的危機に有効なシナジー解決策を加速させる -特にビジネスの役割-』
[開催日時]2025年11月17日(月)11:30~13:00
[会場]COP30 ジャパン・パビリオン
[主催]環境省
[共催]公益財団法人地球環境戦略研究機関(IGES)・アジア開発銀行(ADB)・国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)・国連環境計画(UNEP)・独立行政法人国際協力機構(JICA)
[URL]https://www.copjapan.go.jp/cop30/seminar/1702/
[内容]2023年2月末に開催された第6回国連環境総会(UNEA-6)にて日本政府が決議案を提案し採択された「シナジー」に関し、2025年12月に開催される第7回国連環境総会(UNEA-7)でのフォローアップ決議案等に繋げていくため、特に重要なステークホルダーであるビジネスの側面からシナジー解決策の実践例を紹介するため当社の代表長澤が登壇しました。気候変動、生物多様性の損失、汚染という3つの地球的危機に対し、当社が関わるアグロフォレストリーは気候変動緩和や生物多様性の維持と回復に寄与しており、さらにアグロフォレストリーの拡大を促進するシナジーの実践例としてサステナブルプラットフォーム『SCOPE 3 Neo』を 紹介しました。

③ジャパン・パビリオンにおける環境省主催セミナー登壇(2)
[テーマ]『農林分野・ブルーカーボンによる気候変動対策の推進』
[開催日時]2025年11月17日(月)13:45~15:45
[会場]COP30 ジャパン・パビリオン
[主催]環境省
[共催]外務省・農林水産省・林野庁・国土交通省・ブラジル環境・気候変動省
[URL]https://www.copjapan.go.jp/cop30/seminar/1703/
[内容]ブラジルと日本における農林分野及びブルーカーボンに焦点を当て、各分野の専門家から取組事例を紹介する中で、当社代表の長澤より農林分野における気候変動対策の推進例としてアグロフォレストリーの事例と推進のための新たなサービスとしてサステナブルプラットフォーム『SCOPE 3 Neo』を紹介しました。

④ジャパン・パビリオン公式サイトにおけるバーチャル展示
企業紹介ならびに「森をつくる農業」と呼ばれるアグロフォレストリーの発展に貢献する当社の取組み、サステナブルプラットフォーム『SCOPE 3 Neo』を紹介しております。
以下のURLより当社のバーチャル展示をご覧いただけます。
[日本語]https://jprsi.go.jp/ja/member/790
[英語]https://jprsi.go.jp/en/member/790
[ジャパン・パビリオン公式サイトURL]https://www.copjapan.go.jp/cop30/
■SCOPE 3 Neoとは
サステナブルな農法を実践する生産者とサステナブルな原料を求めるメーカーをマッチングしWEB上で原料の売買を行うプラットフォーム。 登録生産者第一号は当社のサプライヤーのトメアス総合農業共同組合(CAMTA)であり、アグロフォレストリー栽培によるCO2 吸収量が「削減量」として原料に紐づけられる。削減量はGHGプロトコル及びISO14067に準拠しており、企業は当数値をScope3の排出量削減に使用できるメリットがある。
当社ではサステナブルソーシングが「特別な選択」ではなく「当たり前の選択」になる社会をつくるため、『SCOPE 3 Neo」の運用を通してアグロフォレストリー栽培によるサステナブル原料の利用促進に努めていく。
[SCOPE 3 Neo]https://scope3neo.com/
■森をつくる農業「アグロフォレストリー」とは
アグロフォレストリーは農作物と樹木を混植する農法で、世界各地でさまざまな実践例があります。当社のサプライヤーであるCAMTA農協が取り組むアグロフォレストリーは、アマゾンの荒廃地に多様な果樹や材木の苗や単年作物を植えていきます。1年目から継続的に収穫を得られることが特長で、果樹栽培をしながら樹木を育て森林を再生していきます。
従来の単一栽培ではできなかった持続的な生産が可能となり、森をつくるだけでなく、雇用を生み、地域の発展にも寄与するなど、社会・経済・環境の側面からメリットがあるサステナブルな農法として世界中から注目されています。

■アグロフォレストリーのCO2削減効果
アグロフォレストリーのメリットのひとつに、「温室効果ガス」の一種であるCO2の吸収があります。下図は原生林を伐採した後に単一栽培を行い、アグロフォレストリー農法を行った際のバイオマス量※の変化をイメージしたものです。伐採によりバイオマス量が急減し、単一栽培によって土壌養分が枯渇し荒廃地化しますが、アグロフォレストリーに変換後は樹木の成長と共にCO2を吸収・固定していきます。農業という経済活動を行いながら森林を回復させる希少なモデルです。
※生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」。

■日系農協「トメアス総合農業協同組合・CAMTA」
CAMTAはブラジルのアマゾン地帯にあるパラ州トメアスに移住した日本人が1931年に創立した農業組合です。創立当初は野菜や米の販売をおもな事業とし、のちにコショウの一大生産地へと発展し、病害による壊滅的な被害を受けた失敗からアグロフォレストリーへの転換を先導しました。現在ではジュース工場も運営し、アマゾンフルーツの生産とアグロフォレストリーの発展を推進しています。また、アサイーの量産化成功によりアサイーを世界に広めたパイオニアでもあり、当社の創立時よりアマゾンフルーツの供給を担う、唯一無二のパートナーです。

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